Teak&Environment

チーク材の特徴

チークは使えば使うほどに味わい深いものとなっていく銘木として、世界中で愛されてきました。東南アジアの熱帯雨林地帯で生息するこのチークは、非常に硬く、伸縮しにくく、反りにくいだけでなく、その内部に蓄えられた豊富な油分によって水の浸透を軽減し、塩分や害虫にも強く、ボルトや釘などを使用してもそれらが錆びにくいという類い希な性質を持っています。

直射日光や風雨にさらされる豪華客船の甲板の材料として利用されてきた事からも、その耐久性の高さが伺えます。これだけの耐久性を持ちながらも、柔軟性があり加工性にも富み、何より経年変化が美しいという点で、代替品との差は余りにも大きく、もはや他に近しい木材など存在しないと言わざるを得ません。

チーク材を取り巻く環境

何世紀にも渡って世界最高の人気と地位を保ち続けてきたチーク材。その枯渇は200年以上も前から心配されてきました。枯渇を避ける為には植林しかありません。いち早くそれに気が付いたヨーロッパ諸国は世界各地で植林を試み、その中でもインドネシアは気候も含め最適地と言われてきました。特に中部ジャワは、乾季雨季が明確で緻密で油分の多い良質なチークが育つ産地として一躍有名になりました。

その中部ジャワを中心にオランダ東インド会社によって19世紀初頭に始まったチークプランテーションは、インドネシアの林業公社プルンプルフタニへと受け継がれ、現在も必至で守り抜こうとされています。しかし、世界中から集まるチークの需要に生産は追いつかず、盗伐や乱伐も重なり、森林の減少や劣化が報告されています。このような状態になった背景には、自由貿易の名のもとに資源の乱用を行ってきたヨーロッパの庭園家具企業の姿勢が深く関わっています。

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チーク材を取り扱う企業の責任

チーク材の仕入れルートをきちんと追跡出来ない状況でも、価格が安いというだけで家具を購入する事は、インドネシアでの盗伐や乱伐を助長してしまいます。そうなると、正規のプランテーションからチーク材を購入した者だけが不公平な価格で仕入れる事となり、結果的に資源の枯渇を加速させてしまいます。

現在、ヨーロッパではこの様な問題を踏まえ、資源の追跡義務が着目されています。 今後、チーク材の様な森林資源を扱う企業は、単に良いものを安く仕入れるという発想ではなく、いかに資源を枯渇させずに公平な市場を作るかを真剣に考え、実践しなければならない責任を抱えていると私たちは考えております。

ISTANA TERRACEの家具は、現在その96%以上をプルンプルフタニの正規ルートで購入しており、今後これを段階的に100%とし、さらに仕入れルートの追跡調査を行っていく事で確実なものとしたいと同時に、原生林の間伐で高樹齢の良材が手に入るミャンマーチークに関しては、仕入れルートの追跡が極めて困難であるため、合法、非合法に関わらず、使用を控えたいと考えております。

地球環境汚染に関する考え方

森林破壊やCO2排出による地球温暖化は、極めて重要かつ大きな問題として取り上げられ、国際的に様々な改善努力が行われています。その実現に向け、より環境にやさしいものを求める消費者が着実に増えているようです。例えば、住宅ならソーラーパネル、車ならハイブリッドという選択が環境に良い事は、広く一般的に理解されてきています。

しかし、家具において木材製品を選択する事が環境にとって良い事かについては、疑問が残ります。事実、原生林を無差別に伐採している事で森林劣化や森林破壊に繋がっている製品も少なくありません。またそれを恐れ、金属や化学製品に移行している家具製造業者も増えています。しかしながら、それでは本質的に問題が解決された事にはなっていないと我々は考えています。

木は燃やさなければ、それが家具になったとしてもCO2を吸収した後の炭素の状態である事に変わりはありません。成長しきった木や成熟した森は、成長過程のそれと比較するとCO2を吸収するスピードは落ちて行きます。ある程度計画的に伐採して家具材として使い、再び植林する事で、木や森の成長を助長し、家具の耐用年数が木の成長を上回っている限り、むしろCO2の吸収量は増える計算になります。

そういう意味では加工に燃料を使いCO2を排出する金属や化学製品に比べると、木材製品の方が環境にやさしいと言えるのです。重要なのは、森林の劣化や減少をさせない責任ある木材調達と木の成長を上回る耐用年数です。ISTANA TERRACEはこの2点において、さらなる改善を求め、木材調達に関してはNGO団体とも協力し、今後も最大限の努力を続けて行きたいと考えています。

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ISTANA TERRACE商品のCO2循環